中小メーカーのマーケティング

中小メーカーの社長がマーケティングで業績が上がることを応援ずるブログ

代理店もメーカーも得をする新規顧客開拓

代理店とどうやって新規顧客開拓をしていますか?


「世の中の勝ち組は商社だ」とメーカーさんからよく言われます。
でも、代理店にも悩みがあります。
今回は代理店の悩みを解決する形でメーカーが新規顧客を開拓する方法です。



最近だと、代理店が展示会に出展して、メーカーが商材と人員を提供する形が多くなってきました。


これもメーカーが効率よく新規顧客を開拓する方法ですね。

しかし、最近の展示会は名刺交換数に対して案件化率が低くなっていませんか?

次のメーカーの打ち手は何か?

それは、代理店を自社営業マンにしてしまうことです。
もちろん、雇う必要はありません。

要は「代理店が積極的に売りたいと思わせる努力をする」ということです。




では、どうしたら代理店が積極的に売りたくなるか?
それは、「この商材であれば自信を持って売れる」と代理店営業マンに思ってもらうことです。


ステップは、たった2つです。




まず第一に、代理店との関係を構築します。

代理店はいろいろな商材を売っています。
だから、メーカーにとって重要なのは、代理店にとっての自社製品の優先順位を上げることです。



どうすればいいか?
それは情報提供です。


情報提供とはいっても、商材をプレゼンするだけではダメです。



では何が必要なのか?
それは代理店の営業マンの教育を代行することです。

空調の省エネ機器のメーカーさんであれば、「空調とは何か」を代理店に教えます。
コンプレッサーの省エネ機器であれば、「コンプレッサーとは何か」を教えます。



そうです。商材の前提となる基礎知識を教えます。

代理店の営業マンはお客さんに提案するので基礎知識が絶対必要です。

しかし、意外に知識はないんです。
というか、代理店が自社営業マンに基礎知識を教えるにはコストがかかります。
そこを代わりにやりましょう。

代理店からすると、自社営業マンの研修を代行してくれるなら断る理由は無いですよね。


このようにして代理店と関係を構築していきます。
基礎知識の研修を代行して、「コンプレッサーで疑問があればいつでも連絡して下さいね」と相談役になることを目標としましょう。


この情報提供によって、代理店はメーカーさんといつでも連絡が取れる関係になります。







第二に、代理店に営業を教育します。
すなわち、商材の提案方法を全て教えて、「代理店の得意な商材」にさせます。


提案に必要なカタログ、事例集、アプローチブック、ヒアリングシートを全て提供しましょう。
もちろんデータで。

だからこそ、メーカーさんはこれらのツールはしっかり作りましょう。


ではツールを提供するだけでいいか?
それはNOです。



そのツールをどう使うか?
どのようなトークで提案するか?
どんな流れで受注するか?

これを具体的に教えます。

ロールプレイングなんかは効果的ですね。
もしくは、営業同行をしましょう。
営業同行は1回行くだけではダメです。

ヒアリング、商材提案、効果シミュレーションのプレゼン、見積もり、クロージング、施工まで全て営業マンと同行します。
このようにして、「現場」を通じて教育します。

そうすると、代理店は「この商材を売るのは得意だ」と考えるようになり、積極的に売ってくれるようになります。


メーカーさんはこの取り組みを継続することで、営業効率が上がり、業績が上がります。



メーカーさん、頑張りましょう。
自社で営業しないといけない状態から抜け出して、代理店の管理をするだけで済むようになるまであと少しです。



事例も知りたい方は個別で連絡下さいね。
なんでも教えますよ。


代理店を使って新規顧客を開拓する前に心がけること

新規顧客開拓を社長や過去客の人脈に頼っている中小メーカーにとって、
全く新しい顧客を獲得することは非常に重要なことです。

「新規顧客と接点が欲しい」とは思いつつ、この部分に注力していないことが多いです。

どうですか?
新規顧客の獲得を運任せにしてませんか?





そこで今回は「代理店を使っていかに新規顧客を開拓するか」です。

中小メーカーは代理店が多くありません。
ましては実稼働している代理店は何%ですか?






なぜ代理店が機能しないのか?

それは代理店が製品を、業界を、基礎知識を知らないからです。

もちろん、詳しい代理店さんはいっぱいいますが、
重要なのは、
「メーカーの話に代理店がついていけてない」ということ。






代理店やお客様と話をする時、専門用語を使っていませんか?
当たり前のことだから、、、と説明を省いていませんか?

それでは代理店は「売ろう」という気になりません。

いきなりガウスの発散定理の話をされて、興味を持ちますか?





代理店を機能させるために必要なこと、それは教育することです。




代理店向け勉強会をやっているメーカーはありますが、それでも機能しない方いませんか?


なぜなら難しすぎるからです。

メーカーは専門家なので、自分が想像している以上に小難しい事を言ってますよ。
これは断言できます。


代理店を教育するときに必要なこと、
それは「これから中学生に向けて教える」という気持ちで臨むことです。

これは代理店をバカにしているのではなく、メーカーの努力不足を指摘しているのです。


中学生でも営業できるメーカーは強いですよね?
どんな営業マンでも受注できるようになる努力が必要です。


脱臭、水処理、集塵機、省力化機器といったとっつきづらい商材でも、「中学生に教える」スタンスで代理店は活用できます。
事例もあります。
環境機器の営業に携わったことのない営業マンが一ヶ月で3件の営業案件をメーカーに紹介しました。


新規顧客開拓を増やす方法は意外と簡単です。
あとは社長が代理店に寄り添うかどうかです。

業績を上げるにはとにかく新規顧客開拓

製造業が業績を上げるには3つの切り口があります。

・何を作るか(製品力)
・どう作るか(製造力)
・どう売るか(営業力)

この3つの切り口で会社の成長を狙うことになりますが、どれに今すぐ取り組むべきか?

それは営業力。

他の2つは時間がかかりますが、営業力は今日から変えられる。

とにかくメーカーは営業力が全てです。

では営業力とは何か?
それは新規顧客開拓に尽きます。




営業のステップは3つ。
アプローチ、プレゼンテーション、クロージング。
いわゆるAPCです。

中でもP、Cは一定の成功率が出ますが、何より難しいのはA(アプローチ)ですね。


逆に、アプローチが強い会社は業績が上がります。
これは間違いない。
アプローチの経験数が増えるとプレゼンテーション、クロージングの成功率も上がります。


今、製造業の社長が気にすることは新規顧客にどれだけアプローチできるか。
特に、新規案件は社長の人脈だけのメーカーはここに注力してください。

新規顧客開拓の方法、仕組みを工夫するだけで年1億円は業績がすぐに上がります。


今の時代、飛び込み訪問で開拓はできません。
どう新規顧客開拓を開拓するか?


一緒に頑張っていきましょう。

GEのビジネスモデルから何を学ぶか?

GEが新たなビジネスモデルを確立しています。

IoTと一緒に語られる事が多いですが、これはすごい革命ですね。


中小メーカーはこのモデルに早く移行しないと時代に取り残されます。
これははっきりいえます。

いずれ、このモデルに移行できた一部の勝ち組と、それに従う負け組にハッキリと別れますよ。




インダストリアル・インターネットと呼んでいますが、要するにIoTを実用化したものです。


では、GEのビジネスモデル、インダストリアル・インターネットとは何か考えたいと思います。
そして、中小メーカーがモデルチェンジするためにどうしたら良いか考えたいです。
※このコラムはあくまでザックリ理解するものです。厳密な定義はググってください。


GEはもともとジェットエンジンでシェアが高くなかったのです。単純にモノ売りしても勝てないことがわかっていました。
だからこそ、サービスを売ることに変更しました。


それは何か、ジェットエンジンの稼働状況に応じて課金します。
走れば走るほど、儲かるストックビジネスですね。

なぜこれが実現できたか?
それは、同時に「効率的な、長持ちするジェットエンジンの使い方」をサービスとして提供します。

だからこそ、納入先としては「モノだけでなく、無駄なく運用するコト」もセットで購入します。


これにより、今までモノ売りだけであったビジネスモデルからコト売りのビジネスモデルに変えました。



でも、これってそう簡単ではないです。





これが成立する要件は何か?


まず、ジェットエンジンという色々なセンサー情報、複雑な情報が絡み合った製品であることです。しかも、事業の根幹であることです。
複雑だからこそ、効率よく使う方法をお客様は求めています。
事業の根幹となる製品なので、お客様の興味が大きいです。



次に、金銭的な規模が大きいこと。
ジェットエンジンといった業界は1%効率が上がるだけで大きな利益が出ます。
薄利多売ではないので、少しの効率化で大きなメリットが出ます。





次に、様々なセンサー情報を分析して、効率よく、長持ちする使い方を提供できるノウハウがあることです。
自社に技術が必要です。ここに自信がないと、まずできないです。
さらに、製品だけでなく、お客様の事業全体に対して気を配らないといけないです。





最後に、リアルタイムでの対応ができること。
ここでインターネットが出てきます。
センサー情報をリアルタイムで把握し、変化を感じ取ってすぐに対応できる自信があるからこそ、これが出来ます。









それでは、中小メーカーはどうしたら良いか?
BtoBなら意外と出来ます。

例えば、DMやチラシの印刷、発送会社の場合。
発送数に対して課金する従来のモデルから、問い合わせ数に対して課金します。
自社内のノウハウを集結し、お客様の求める反響にコミットします。

発送するリスト、チラシのデザイン、反響までの動線をにノウハウをすべてつぎ込みます。
問い合わせ数に対する課金は少し高くても問題ありません。
過去の平均反響数の平均が自社内で5%なら、お客様の求める反響数×20〜25件のコストを提示します。
これで世界は変わります。
見積もりの際は、問い合わせ数に対するコストを提示します。

シェアポスさんはこのモデルに変わってますね。







例えば工場設備の場合、デマンドコントロールがいい例です。
通常のデマコンは、デマンドが設定値を超えるとピーピー鳴って、担当者が手動で照明か空調を切って対処する、もしくは自動で空調を切るのが関の山ですね。


これを、業界に特化します。空調をいじる形でもいいです。
メーカーとしての事前準備は、業界毎の作業場の温度、事務所温度を把握しておきます。
その上で、デマコンを入れるときにセンサー情報の取得と制御ができるようにします。


ではどうするか?
デマコンを売るのではなく、「従業員の作業環境と省エネの最適なバランス」を売ります。
月一で気温、デマンド、空調設定状況を照らし合わせて次の月の最適なバランスを提供します。
この時、「作業場温度を優先してデマンドが上がりました」は許されません。省エネは当たり前です。

お金はどうするか。
当面はデマコンとセンサーの設備投資だけで良いです。
付帯サービスは無料でしましょう。
そうすると、次第にノウハウがたまります。

溜まったら勝負時です。



空調の設定温度と稼働時間に応じた課金モデルに切り替えます。
3年契約のがベストでしょう。
ベストな稼働状況を提供しつつ、稼働状況に応じて課金する。
3年で回収できるようにします。
例えば、(33-設定温度)×稼働時間×千円。
当初は28度設定で8時間稼働であれば、年間約48万円。3年で150万円です。
しかし、月にしてみれば4万円。それでどれだけのデマンドを下げられるか、自社の能力を考えてください。

さらに、これは設備投資を促せます。
省エネ率の低い空調をいつまでも使っているお客様には設備投資を促せます。
ここでさらに、稼ぎます。





ESCOに似たモデルですが、少し違います。
ESCOは削減したお金で初期投資のお金を回収すること。
GEのモデルは「飛んだマイル数」をお金として回収します。
チラシの例は「問い合わせ数」をお金として回収します。
デマコンの例は「空調の稼働状況(工場の稼働時間)」をお金として回収します。



どこが先にやるか。
個人的には大手ではないほうが面白いです。