新規事業を立ち上げるときに社長がやること
既存事業はある程度安定した売上になっていると、社長はこんな不安を抱くはずです。
この事業はこのまま続くのか?
今の業界では頭打ちになってきたぞ?
景気に左右されたときにどうするか?
次の事業、柱になる製品が必要だ。
でもどうしたら良い?
今までの顧客、人脈をいかすか?
そもそも自社の強みってなんだ?
メーカーでも商社でも、常に次の仕掛け、新しい柱が必要です。
新しい製品を売るか、既存製品を違う業界に売るか、その両方かどれかに該当します。
そんな社長は壁に当たります。
ビジネスはそんなもんです。
新規事業が上手くいかない。
既存事業と比較すると伸びない。
社員も忙しくて集中できていない。
そもそもやり方があっているのか?
今回は新規事業を立てるときに社長がやることです。
行うべき順番は3ステップです。
- 社長が決意する
- 既存製品を新しい業界に売る
- 新規製品を既存の業界に売る
まず、最も重要なのは「社長の決意」です。
精神論ですが、新規事業を次々に立ち上げる会社は「社長の決意」が違います。
副社長ではダメ、営業部長でもダメ。
社長の決意が絶対的に必要です。
社長が決意をしたら、まずは
「既存製品を違う業界に売ること」を考えてください。
自社製品が実現できることは何かを列挙します。その上で、それに困っている業界を細かく上げていきます。
この時、産業や、btocなど大枠にするのではなく、食肉加工工場での殺菌室の湿度管理、のように細かく挙げます。
この細かさが後で重要になります。
次に売り方を考えます。
プッシュ型がいいのか?プル型がいいのか?
プッシュ型であればガンガン営業する形で体制を作ります。
チラシを持って代理店へ積極的に宣伝する。
勉強会をどんどん開催する。
展示会に出て認知度を上げる。
セミナーを開催して製品を理解してもらう。
プル型であればウェブ検索でヒットしやすくする。
定期的にチラシを送付して問い合わせを得る。
メルマガやブログで継続的に宣伝する。
事例集や製品比較資料で信頼と違いをわかりやすくする。
代理店向けキャンペーンを開催して変化をつける。
この時、業界が変われば代理店も変わる場合がほとんどです。
まずは代理店を開拓し、販促物は業界に特化していきます。
既存の業界と同じ資料でやりがちですが、絶対ダメです。
例えば、工場の工場長は農業資材の資料なんて興味ないです。
このようにして営業を強化すると、1年後には体制ができて、2年後には売上が見えてきて、3年後には事業として柱になります。
中途半端ではなく本気でやれば出来ます。
だから社長の決意が大事です。
では次に、新規製品を既存の業界に売ります。
なぜこれが3番目なのか?
それは失敗するリスクが高いからです。
新しい製品は製品力、コストの適正さ、売り方が市場、時流にあっているかわからないです。
「いやいや、それはわかっているよ」という社長、現場の声に本当に合っていますか?おそらく8割方は過信です。
既存の業界に売るのでパイプはあります。
この時、「一緒に開発、テストしてくれるお客様」を探してください。
可能性がぐっと上がります。
言い忘れていましたが、「新規製品を、新しい業界に売る」は絶対辞めてください。成功しないことが多いです。化粧品も省エネ機器もやっているメーカーがたまにありますが、企業としてのまとまりがなく、そこそこの売上止まりです。
このようにして新規事業はつくっていきます。
社長の決意を前提として、2,3の順に多少同時でやっていきます。
最もだめなのは変化を恐れること。
新しいチャレンジをしないと未来はないです。
一緒に頑張りましょう。
営業会社がLED依存から脱却する
製造業、特にBtoBの企業は営業力が弱いです。
だからこそ、営業会社がLEDを売ればかなり売れました。
今やLEDは激戦区!レッドオーシャンです。
そんな営業会社がLEDの販売事業への依存から脱却する方法はなんでしょうか?
ズバリ、空調!!
なぜ空調なのか?
1.既存顧客への提案ができる
2.既存顧客から悩みを聞きやすい
3.設備担当者が「実は」空調を知らない
1.既存顧客への提案ができる
LEDをこれまで様々な企業に売ってきましたね。
だからこそ、営業会社の顧客リストはすごく質がいいです。
いい企業との取引が多かったからこそ、この顧客リストは全力で活用しましょう!
次の製品を検討するときは既存顧客に売れるものが重要です。
照明と同じく空調は「絶対に」必要です。
人やモノがある限り、空調も必要です。
空調の省エネで攻めましょう。
空調はレッドオーシャンに見えますが、まだまだです。
営業会社なら勝てるレベルです。
2.既存顧客から悩みを聞きやすい
照明を売ってきた営業会社は、お客さんからすると「照明屋さん」です。
いきなり生産設備や重要な設備についての悩みを教えてもらえません。
でも空調はどうでしょうか?
空調は企業にとって重要だけど二の次です。
だからこそ、悩みが聞きやすい。
お客さんから悩み、ニーズを聞けないことには始まらないので、最初は空調が適しています。
3.設備担当者が「実は」空調を知らない
設備担当者は様々な設備を管理しています。
照明、空調、コンプレッサー、ボイラー、生産設備、チラー、廃棄物、、、、
設備について詳しいです。笑
でも、「省エネの方法」は詳しくないのです。
設備自体は詳しいですが、どう省エネしたらいいかはわかっていないのです。
営業会社は省エネ方法、技術さえ見つければ営業はしやすくなります。
ではどうやって省エネ方法を探すか?
今やウェブで探せます。
他にも、展示会で見つけるのもいいです。
秋にかけて省エネ関係の展示会が増えます。
エコプロは大企業が多いので、地域系がオススメです。
日本最大級の異業種交流展示会 | メッセナゴヤ2016 名古屋
びわ湖環境ビジネスメッセ2016 | BIWAKO BUSINESS MESSE
電力コスト削減に直結する製品が一堂に出展 - 省エネ・節電EXPO - 企業向けCO2削減・省エネソリューションの専門展! | リードエグジビションジャパン
最後にビジネスマッチングで見つけるのもいいです。
ビジネスマッチングで検索したらいっぱい出てきます。
第4回ビジネスマッチングin東京〜受注側企業を募集します〜|東京都中小企業振興公社
環境ビジネス.com『エコウェブネット』 勉強会 【環境ビジネス経営研究会】8月例会開催のご案内
営業会社はいかに時代の流れに乗りながら新しいものを売るかが勝負です。
頑張りましょう。
ターゲットリストを作って新規開拓する!
新規獲得をして新しい案件を作る方法は色々あります。
DMを作成して送付する、ウェブを使って問い合わせを得る、飛び込み訪問をする、代理店から引き合いを得る。。。
業界毎の攻め方は過去の記事を見てください。
水処理で業績を上げるには? - 中小メーカーのマーケティング
今後新規開拓して新しい営業案件を増やすためには、ターゲットリストを精査することが有効でしょう。
なぜか?
まず第一に自社のターゲットが明確になります。
次に営業の効率が上がります。
まずターゲットが明確になります。
「自社製品の主要ターゲットはどこですか?」と聞かれたときに、どの程度把握していますか?
「工場」レベルではダメです。「金属加工工場」レベルでもダメです。
得意なお客様の業種、何を作っている工場なのか、年商はどのぐらいの企業か、事業所に何名ぐらいの工場なのか、細かく把握することが重要です。
この部分、なんとなくでやっていませんか?
これをちゃんと理解するためにリストを精査しましょう。
まずターゲットリストはリスト会社から購入します。
株式会社東京商工リサーチ[TSR]|世界最大の企業情報データベースを提供中!
それを精査します。
その時、1社ずつ見ると、いろんな企業があることに気が付きます。
リストをS,A,B,C,Dに優先順位付けしてください。
そうすると自社のターゲットが明確になります。
基準がわからなければ過去の受注事例を見直してください。
ターゲットって意外と明確にはなっていないものです。
ましては社内で共有されていないはずです。
リストの精査をきっかけに、自社製品のターゲットを共通しましょう。
次に、営業効率が上がります。
精度の良いリストを活用するほど営業効率が上がります。
DMを無駄に送付する必要もなくなれば、無駄に営業に行く必要もなくなります。
とにかく精度の良いリストを作ってください。
リスト会社から購入したリストを優先順位づけすることが1番です。
この時重要なのは、「絞ること」です。
どうしても、「いや、可能性はあるな」、「この業界はなくはない」と捨てきれなくなりがちですが、無駄です。
今欲張れば欲張るほど、後々営業で苦労するだけです。
SランクからDランクまでつけたとき、S,A,Bランクが多い場合は精査できていない証拠です。
リストを購入した後に
S:35%
A:30%
B:20%
C:10%
D:5%
こんな構成になることです。
逆にこんな構成に精査できなかった場合、自社のターゲットがまだ見えていない証拠です。
基本はSとAにアプローチします。
Bランクは条件によって当たる場合がある程度。なので、待ちの営業でいいです。
Cランク、Dランクは捨てましょう。
ただし、近隣業界、市場なので、次期製品を開発する前に検討に入れます。
リスト精査はどんな新規開拓手法をやる場合でも重要です。
ウェブであっても、どんなキーワードをページに入れるか、リスティング広告のキーワードをどうするか、で重要になります。
代理手からの引き合いでも、「うちはこんなところに強いです」をどこまで正確に伝えるかで「良い引き合い」を得やすくなります。
リスト精査なんて地味だなぁ、と感じることがあるかもしれません。
でもこれだけで「マーケティング」になります。
一緒に頑張りましょう。
年商8億円以下の企業が20億円を実現するためにやること(営業フロー編)
年商8億円以下の企業が29億円に向けてやるべきことです。
メーカーについてです。
順番としては、営業フロー、調達フロー、人材フローの順でやると20億円はすぐそこです。
まず営業フロー。
直販か、一部の代理店の紹介がほとんどだと思います。
20億円を本気で目指すなら代理店販売に切り替えましょう。
明日から代理店にする!ってのは現実的ではないので、足元の営業はそのままにして次の仕掛けをしましょう。
営業フローでやること。
・自社での新規問い合わせ〜受注、アフターサービスまでの流れを書き出します
・それぞれにかかる工数(人数✕時間)を書き出します。ざっくりでいいです。(例えば、見積もりなら2時間✕一人、提案なら移動も含めて3日✕一人)
・見積もりに必要な情報を書き出します
・その情報を一つのエクセルシートにまとめます。
・これでヒアリングシートが出来上がります。
・次に代理店用のチラシを作ります。1枚物で良いです。
・次に自社製品が得意なターゲットを細かく書きます。
・あとはこのヒアリングシート、カタログ、ターゲットを代理店に渡してオッケー!!
うちはヒアリングシートもチラシもできているから、、、というメーカーさん。もう一度やってください。
代理店から引き合いが来ないのはできていないってことです。
一部の「よく知っている代理店」からの引き合いに依存しているってことは、できていないです。
作り直して精度を上げましょう。
メーカー目線の資料は誰も使いません。
代理店の立場になってどれだけ作れるかです。
代理店の気持ちがわからなければ、素直に聞けばいいです。
「うちの製品について引き合いをさらに増やすために何が必要ですか?」
この一言を言えばいいんです。
次回は調達フローについて解説します。